卵巣がん再発
前回のブログで書きましたが、
慢性盲腸疑いから、画像診断の結果、卵巣がんの再発と告知されました。
2020年12月10日のことです。
診察室に呼ばれ、主治医に
「その後痛みはどうですか?」と聞かれる
「痛い時とそうでない時があります。最近は右だけでなく、中央に痛みが移動している感じです。あと、心臓よりも下の部分も痛くなるときがあります。」
と正直に答える。
「画像診断の結果が出ました。胃腸科でみたときはわからなかったのですが、専門の放射線科に診てもらい」
と主治医は言いながら、紙に内臓(食道から胃腸等)や子宮卵巣の絵をサラサラと書いた。
さらに卵巣や胃腸にシャシャと斜線を引く。
そして続ける
「卵巣が肥大していて、(描いた絵を見せながら)このあたり(斜線)にいくつものシコリが確認できました」
え??となる。
「血液検査の腫瘍マーカー値も高くなってます。卵巣がんの再発と転移かと思われます。先ほど痛いとおっしゃっていた辺りも転移箇所と一致しています。」
え??え???となる。
正直、覚悟はしていた。
いや、覚悟まではしていなかったな。
嫌な予感はする、くらい。
主治医から、進行が早いです、と。
10月に腫瘍マーカーの値が7(通常4とか5、ちょっと高いけど再検査するほどじゃないらしい。次回検査で要判断らしい)だったのが、今80を超えている。
転移の範囲も簡易の画像診断で肝臓、小腸、十二指腸、胃のあたりにシコリがある。
卵巣の肥大も正常の倍ほどある。
これが2ヶ月経つか経たないかで起きている。
と言われた。
「しぶまんさんは、今不妊外来にいらしていますが」
と言われ、
そうだよ!不妊外来!!子ども!
と思い伏し目がちにしていた(転移疑い箇所が書かれた紙を見ていた)顔を主治医の方に向けた。
「今は、何よりも命を大切にしてください」
と言われた。
再発告知を受けた数分前の時よりも
絶望した。
今の私は
死ぬかもしれないのかということと
子どもは無理なのかということ
絶望しかなかった。
マスクがあってよかった。ここで泣かずに済んだから。
しっかりしなきゃ、となるべく平静を装い
主治医の話を聞く。
まず、癌の転移範囲を把握する。
その範囲次第で今後の治療方針が決まる。
私の癌は粘液性癌で、アメーバーみたいな粘液が癌化して、それがペタっと臓器にくっつくタイプらしい。それが今全身に飛び散ってるそうな。
臓器の中までは浸潤せず、
再発も本来なら低いらしい。
なので、できれば外科的手術で取り切ってしまうのがセオリーらしい。
ただ、範囲が広がっているので、
これから超音波検査を行ない、ある程度把握する。
更に、範囲を細やかに判断するために、造影剤のCTスキャンと、特殊な薬で体内の癌細胞を光らせるペット検査なるものを行なう。
最後に、内臓の中に癌が広がっていないか確認するために内視鏡検査を行なう。
と、怒涛の検査&検査スケジュール(これを10日くらいでやった)を言い渡される。
ちなみに内視鏡検査は、本当に痛かった。
半日かけて下剤を飲み(本来は病院、だけどコロナ禍なので自宅で)、全部出し切り、フラフラで病院に向かい、内視鏡を行なった。
先生が痛み止めの点滴打ってくれたけど、気休めにもならなかった。
ガンの痛みと内視鏡突っ込まれる痛みで、検査台の上で「ごめんなさい!じってとしていてー」と言われても、のけぞるくらい痛かった。
主治医から説明を受けた後、超音波検査を受けるため待合室で待っていると
どうしよう
どうしよう
と不安がどっと襲ってきた。
涙も出た。死ぬかもしれん。どうしよう。
すると、超音波検査に呼ばれた。
誰かといると良いカッコしいの私が出てきて
冷静でいられた。
超音波検査、1時間くらいかかり、仕事のことコロナのことなど話していると、
本当に「ちゃんとしなくては」と思えるようになっていた。
夫には今日言わなきゃだな。
親には、治療方針とかしっかり決まってからの方がいいな。
超音波検査が終わり、また診察室に呼ばれる。
さっき聞いた内容と同じだったが、
相当広範囲に転移が認められる。これが内臓内部までがどうかは内視鏡で、もう少し詳細な範囲(超音波で見られないところ)はペット検査でしっかり確認しましょう、とのこと。
主治医としては、外科的で取り切りたい。理由は、私の粘液性癌は抗がん剤が効きづらいタイプの癌だから。抗がん剤を使って効果がないと進行するだけになってしまうこともあるので、この種類の癌は取ってしまうのが本来はベスト。ただ、転移箇所で癌を取りきれないリスク、取れたとしても内臓の機能が失われるリスク(私の場合小腸への転移が広範囲)もある。検査結果をみて婦人科やオペチームと会議をして治療方針を決めたい
と伝えられ、
私としては、あぁ、そうですか、お任せしますと。
この日は痛み止めを処方されて終わった。
心身ともに疲れた。
帰宅して、
夫と電話で話をして
夕飯の準備をしていると、緊張の糸が切れたのかまた泣けてきた。
小さい子どもがいると分かっていたが、
耐えきれず中学からの親友にLINEをした。
ちょっといい?
寝かしつけ中だから、LINEならいいよ。
ごめん。ありがとう。ちょっとマズイことになった。
どうした?
卵巣がん再発してた。転移もしてるらしい。手術になるんか抗がん剤になるんかは検査次第でまだ分からんけど。ごめん、こんなLINEして。
そうか。
流石に凹んだ。
そうか。
夫くんの子ども、産みたかった。
うん。
ごめん。ちょっと1人じゃ耐えれんかった。1人だとずっと泣いてしまう。
ごめん、私もう泣いてる。
本当ごめん。泣かすつもりはなかったんだけど。
とりあえず、親友には今後のこと決まったらまた連絡する。年末年始お互い帰省は難しいよね的なこともやりとりしてこの日は終わった。
初体験のペット検査は注射して1時間ほど寝て、CT撮影みたいな機械の中入って終わった。これで癌細胞光るってすごいなぁ。
きっと体の中、蛍の里みたいになってるんだろうなぁとアホなこと考える余裕もこの頃は出てきた。
12月22日、大学病院から電話がかかってくる。抗がん剤治療で進めたいとのこと。
しかも年内に開始したい(え?22日ですけど。)
抗がん剤は効きづらいという話では?と聞くと、
100%効かないわけではない。やはり、内臓の機能が失われるリスク、取りきれないリスクが高い。
この辺りを明日改めて説明したい。本来伝えていた内容と異なるので、まずお電話したとのことだった。
そもそも付き添う予定だった夫にその旨伝え、23日改めて大学病院に向かった。